「矯正歯科治療の世界基準をめざして」



「100m競争をするとき、世界中のトラックの長さはどこでも100mである。あたりたり前だが国によってその長さが変わる事はない。驚くべき事に矯正歯科治療の世界では、そのゴールが決まっていない。つまり、その国、術者によりゴールがまちまちである。
 臨床治療は基礎研究とことなり、科学論文のようにすべて世界共通,とはいかない部分もあるが、ベースは科学的でなければならない。そのベースを共通認識にしようという考えからこれまで30余年間、国内外で専門書、一般書の出版や講演・講義活動を行ってきた。その思いが認められたのが、今年初頭に矯正歯科の本家であり、100年余の伝統を持つ、米国のアングル協会からの5時間におよぶ基調招待講演であった。招待講演であった。この栄誉に慢心する事なく今後もこの活動をつづけていきたい。

中島榮一郎 2014年4月吉日

Angle Society(northern California) at Peninsula Golf Country Club 2014.1.24

2014年度 中島榮一郎 講義、講演(1月〜12月)



国内

 1月
  16日(水)        ヴアンガードクラブ          東京

  19日(日)・20日(月) ランクアップコース(Ⅰ)      東京

  30日(木)        シェイプアップ コース       東京

 2月
  20日(木)・21日(金) ランクアップコース(Ⅱ)      東京

  27日(木)        シェイプアップ コース       東

 3月

  16日(日)・17日(月) ランクアップコース(Ⅰ)      東京

  27日(木)        シェイプアップ コース       東京

 4月
  10日(木)        ヴアンガードクラブ          東京

  17日(木)・18日(金) ランクアップコース(Ⅱ)      東京

 5月
  18日(日)・19日(月) ランクアップコース(Ⅰ)      東京

 6月
  10日(火)       日本顎変形症学会:展示(共同)    福岡

  19日(木)・20日(金) ランクアップコース(Ⅱ)      東京

  30日(月)        東京医科歯科大学大学院特別講義  東京      
What Dr.Angle wanted to entrust his passion of the RTHODONTIA to his followers. #I

 7月
  20日(日)・21日(月) ランクアップコース(Ⅰ)      東京

  28日(月)        東京医科歯科大学大学院特別講義  東京 
What Dr. Angle wanted to entrust his passion of ORTHODONTIA to his followers. #II

 8月
  3日(日)        Angle協会基調講演報告会      名古屋

  28日(木)・29日(金) ランクアップコース(Ⅱ)      東京

 9月
  21日(日)・22日(月) ランクアップコース(Ⅱ)      東京

 10月
  10日(金)        第7回日本国際歯科大会       横浜
               —矯正治療が切り拓く次世代への提言—
                          Dr.Ken Kai と共演


  16日(木)・17日(金) ランクアップコース(Ⅱ)      東京

 11月
  16日(日)・17日(月) ランクアップコース(Ⅰ)      東京


23日(日)        熊本顎変形症研究会:座長      熊本

 12月
  18日(木)・19日(金) ランクアップコース(Ⅱ)      東京



海外

Jan.24th Angle Society (Northern California)
at Peninsula Golf Country Club






Aug.5th The 4th Asia Pasific Dental Students Association’s Congress
-Guest Speaker-

Aug. 6th Young Dentist Forum
-Gust Speaker-
  Phnon Penh
  Kingdam of Cambodia

Angle Society(northern California) at Peninsula Golf Country Club 2014.1.24

第77次学術討論会 2013.4.7 児童早期矯正問題的新潮流 台湾

中島榮一郎 海外基調講演 (2014年1月24日)

Angle Societyにて、以下のように基調講演を行いました。


<Northern California Angle Society of Orthodontics=北カルフォルニアアングル矯正学会>
近代矯正歯科学の祖であるDr.Angleにより1900年の初頭に組織されました。

中島榮一郎 講義、講演(2012年)


海外

September, 2012
  14th(Fri)〜15th(Sat)イリノイ大学にて講演
Opening Symposium for the Modern Bioprogressive Guest Symposist
the University of Illinois at Chicago,USA
☜詳しくはこちらをクリック

中島榮一郎 昭和大学歯学部矯正歯科教室 特別講義 2012.1.30


セファロの基本(1) トレースの意義


セファロの基本(2) トレースのやり方


セファロの基本(3) トレースの順番


セファロの基本(4) トレース部位名称


セファロの基本(6) 鶏冠と鼻腔

熊本矯正歯科研究会 2012.11.17  顎変形症研究会 2012.11.23

熊本城天守閣の勇姿

熊本場内は広い!案内板

熊本矯正歯科研究会での講演の様子

伊東隆三会長より感謝状をいただく

顎変形症研究会の座長として、再び来熊

座長席にて

イリノイ大学での講義記録

2012年9月14日〜15日にシカゴのイリノイ大学で行われたバイオプログレッシブテラピーのシンポジストとして招待され、講演を行ないました。

会場となったイリノイ大学

矯正専攻の大学院の学生専用の診療室。 米国では4年間の大学を卒業した 後に4年間の歯学部を経て、始めて3年間の矯正専門プログラムに入るので、計11年。1学年は9人で、全学で27人の学生が学んでいる。

今回の学会の主催者であるDr. Budi Kusnoto(准教授)。彼の父親と私が友人である。

主任教授のProf. Carla Evans 今夏にお孫さんを新幹線に乗せるために来日したこともある。

PNFで講演中の私

大学内の記念図書室で光栄にも拙書を発見

矯正学の父であるDr. Angleの肖像画

1973ー'74に主任を務めた三谷英夫先生の肖像画。(東北大学名誉教授)

1978年にDr. Rickettsのアドバンスコースを受けた時のクラスメートが4時間もかけて会いに来てくれる。左からDuan、私、Mike

南米からの参加者と共にランチタイム

イリノイ大学キャンパス

RichkettsコースのClass of ’78のクラスメート3人と恩師、Dr.Bench と奥様と一緒に。 苦しかったコースも、このクラスメートと恩師の助けでどうやら乗り切れたことが思い出される。

講義内容(一部紹介)

国内出張講義

ワイヤーベンディング ハンズオン コース

2010.7.25 ドクター 中島榮一郎(医学博士) Eiichiro Nakajima
            アシスタント 三浦 滋 先生  行本 弘雄 先生

場所:YDM西日暮里ビル研修室にて


総括として、下記にまとめました。ご覧ください。


「食と脳」

<ワイヤーベンディング コースが満席?>
 本書に「食と脳」の特集を取り入れて○年になる。この間、読者の皆様から、“矯正歯科の臨床を扱う本に何故「食と脳」?という問い合わせをいただいた。一見、この問題と歯科臨床とは直接には結びつきそうもないが、実は歯科の存在意義の根幹でもある。そこで、その理由の一端を述べてみたい。
 私事ではあるが、拙書「かならず上達ワイヤーベンディング」の上梓を受けて、今年の7月にベンディングコ-スを開催した。ストレートワイヤー全盛の今、受講する人なんていないだろう。というのが企画会議に関係者の意見の大勢であった。あにはからんや、いざ募集を開始すると間もなく受講希望者ですぐに満席になってしまった。受講の理由を聞くべくアンケートをとったところ、仕上げに関する技術的な理由が多かったが、要約すれば「ストレートアーチの限界」ということであろう。

<ストレートアーチの限界とは>
 第一に、個々の症例の歯の大きさや形態、歯列弓の形はそれぞれ異なるので、平均値から割り出したブラケットではたとえ何種類かのスペックの異なるものを用意したとしても、すべての症例には適合しない。
 第二は、最終段階の微妙なベンディングでの調節ができない。これにはワイヤ―の材質とベンディングの技術の両面が考えられる。
 では、これらの形態的、機械的な問題がすべて解決したら、この「限界」は解決するのであろうか。答えは「否」だ。何故かといえば、この「限界」には器材の改良やテクニックで解決できることと、それだけでは解決できないことの二つがある。後者の「限界」とは、このテクニックが矯正治療の本質的な目的にかかわる診断と治療法を持たない、ことにある。結局この治療法は、永久歯列が完成した後の歯槽骨レベルでの平均値的な歯牙のアライメントには効率的であるが、それだけである。
 一方、これからの歯科および矯正歯科が目指すべき臨床の目標を定めるとき、運動制御と大脳皮質の役割の関係が近年のfMRI機能的磁気共鳴画像法などの研究により明らかになりつつあることが参考になる。「食」の入り口である咀嚼、嚥下はもちろん発音、呼吸等の運動も大脳皮質の諸機能により制御されている。また個々人の成長発育期の、咀嚼、嚥下、発音、呼吸などの中枢プログラムには臨界期があり、その時期を逃すとその機能を司るプログラムの獲得は難しくなるという。だとするならば、新生児以降の歯牙の萌出の順序や口腔の諸機能もこれと深く関連していると考えられる。このことから、歯科および矯正歯科治療の根源的な意義について、次の二つの仮説を立ててみたい。

1.この中枢プログラムの獲得時期の臨界期に即して、それらの機能を効率よく学習、獲得できるように顎口腔全体の環境の整備をすること。

2.そのプログラムに基づいた歯牙の配列と諸機能とのカップリングを図ること。

 食に関連する顎顔面口腔の運動機能が、大脳皮質の機能により制御されていることが明らかになりつつあることから、今回のテーマではより高次の脳活動である「文化」と関連したものを選んだ。

<文化としての食と脳そして歯科治療へ>
 食物が口に入る前になぜ「食べたい」という気持ちが起きるのかについて、Harvard 大学で高次脳の研究をしている渡辺 由美子 先生にご寄稿いただいた。また、「命のスープ」で主婦のカリスマとして人気の高い辰巳芳子氏を鎌倉に訪ねて「食べることは生きること」というテーマで語っていただいた。 
「食」はまさに生物にとって、生命維持の根源的な命題であるが、同時に人間にとっては、それを支える「精神性」との関連を抜きにしては語れない。

別冊クインテッセンス 矯正YEAR BOOK’10より抜粋



【セミナー講義風景】